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オーストラリアのオーバーランドトラック(OVERLAND TRACK)に挑戦!~概要・予約・準備編~

2024/10/9~14にタスマニアのオーバーランドトラック(OVERLAND TRACK)に行ってきた。
1週間程度で歩けるロングトレイルをネットで探していたら、出てきたこれ。
なんとなくいけそうな気がして、ろくに下調べもせずにとりあえず航空券をとった。
計画が甘く時間が限られたこと、国内線の帰りの便がキャンセルになり急遽飛行機を取り直したりと、
山歩きはともかく、観光の時間がとれず思ったより余裕のない旅行になったことは否めない。
仕事はそこまで長くは休めないし(まあまあ休んでるけど)、これはこれで楽しくていい経験になった。
毎年わがままを聞いてくれる会社には感謝しかない。
何よりも日本とは違う景色とタスマニア固有の動植物に出会えて、距離も歩けて達成感があり楽しいトレイルだった。

これから何回かに分けて備忘録も兼ねてレポしていきます。

これから行きたい方のご参考になれば幸いです。

           

オーバーランドトラックの概要

オーストラリアのタスマニア島中心部に位置するオーバーランドトラックは、国立公園であるクレイドルマウンテン〜レイクセントクレアを北から南に縦断する全長65kmのトレイルである。
65kmを縦断する途中に山や湖、滝などのサイドトリップがあり、日程や体力に合わせて追加で山歩きを楽しめる。
標高は大体900~1500m。
タスマニアの最高峰、標高1617mの「Mt Ossa(マウントオッサ)」もサイドトリップの一部。
この地域はまるまる世界遺産に認定されている。
山小屋に泊まりながら通常は5泊6日で歩く。

              

電波がないといわれるこのトラック。
テルストラ(オーストラリアの三大キャリア)でマウントオークリー、マウントペリオンイーストの山頂付近、レイクセントクレア付近で捕まえた。
山頂以外はほぼないと言ってもいい。

        

オーバーランドトラックの予約と料金

ブッキングシーズンと呼ばれる10/1~5/31の間にオーバーランドトラックを歩くには、インターネットで事前に入山予約が必要。予約は毎年7月初旬の朝から。
1日34人しか入山できず、予約時に人数も確定しておく必要がある。
この期間中のルートは北から南への一方通行のみとなる。
ベストシーズンはオーストラリアの夏にあたる12月~2月で、特にクリスマスや正月付近はホリデーシーズンで予約は激戦。
料金オーストラリアドルで以下の通り。
・大人 $295
・小人 $255 (17歳以下)
・Information pack $43
Information packを頼むとガイドブックとマップを事前にエアーメールで送ってくれる。
支払いはクレジットカードでビザ、マスターカードのみ。

       

>>> 予約サイト

Overland Track | Parks & Wildlife Service Tasmania

             

2024年の予約開始は7/2(火)8:00頃(日本時間で7:00)。
筆者はすっかり忘れており、開始1時間遅れの日本時間で8:00にサイトにアクセスした。
やってみると、なんと予約者4535人待ち!
2024年から予約方法が変わり、サイトにアクセスするのに順番待ちがあるらしい。
メールアドレスを登録すれば、アクセス可能になったらメールで案内を送ってくれる。
10:30頃ようやくサイトにアクセスでき、無事予約が完了した。
金額は日本円で37,017円(当時$≒109円)
予約時に購入した地図とガイドブックは9月中旬にエアメールで届いた。

    

宿泊

スタート地点であるロニークリーク(クレイドルマウンテンビジターセンターからバスで20分程度)からゴール地点のレイクセントクレアビジターセンターまでは山小屋とテントサイトがいくつかあり、公式では5泊6日で歩くとされている。
ナルシサスハットからフェリーを利用せず歩く場合は+1泊推奨。
山小屋は全て無料で、予約は不要。
山小屋にはベッドがあるが布団はないため、持参した寝袋とマットを使用する。
山小屋がいっぱいで宿泊できない場合は、テント(テントサイト)を利用する必要がある。
テントはチェーン付きのデッキに張るためペグは不要。
小屋の名簿に到着日と名前、次の目的地を書く。
時々レンジャーが見回りにきて、名前を確認される。

           

実際に行ってみて、同じ日に入山したのは自分も含めて約5名。
10月初旬は予約者(入山者)は少ないが、歩いていて人に会うことがほぼなく、山小屋も広々と使えて快適だった。

            

食事と水分

トレイル内では食料や飲料が買えないため、食料は最低でも日数分を持参しなければならない。
飲料は各山小屋の雨水タンクや川から補給する。(浄水器や煮沸推奨)
調理や食事は小屋泊でもテン泊でも山小屋の共有スペースを使用すること。
食料やガス缶はタスマニア島のスーパーやアウトドアショップ、ビジターセンター近くの売店等で入手可能。
クレイドルマウンテンビジターセンターには無料の給水スポットがあり、出発前に冷たい水/常温の水/炭酸水を汲める。

             

フリーズドライとジェルをたくさん持って行ったが、ほぼ食べずでただの重りとなった。
とはいえ、トレイル内では入手できないため予備はほしいところ。
日本と同じで日中はシリアルなどの行動食を摂った。
雨に降られ2日間はほぼ停滞状態だったため、粉末の飲料がかなり重宝した。

           

持ち物

できるだけいつもの登山と同じにしたく、食事はほぼ日本から持参した。
食品の原材料に肉や魚が含まれること、常備薬、テントや登山靴など土が付着するものを持ち込むため、はじめて入国カードで申告をしてみた。
別ゾーンに誘導され、食料袋の中身を見せて口頭で説明した。
主に食品について聞かれ、薬はMedicine?と言われ重要視されず、土については触れられもしなかった。
必携品などはガイドブック、ホームページに記載されている。
ザック、レインウェア、登山靴などは言うまでもないが、テントを必ず持たなくてはいけない。
入山受付の際に最初に必携品の確認をされた。
1人のためか、最初にビーコンの有無を聞かれた。
山小屋で停滞したときのために、トランプや本など暇つぶしできるものがあるとよかった。

      

天候

タスマニアは1日に四季があると言われるほど、天気が目まぐるしく変わる。
筆者の行った10月初旬は山頂付近は残雪期のようなイメージ。
朝晩降雪や霰にも降られた。
気温は日中は高くて13度、夜は低くて-7度ほどだったが、半そで短パンで歩く日もあった。
タスマニアの10月は比較的雨が多い時期だそうだが、山にいた6日間中、雨に降られたのは2日間。
かなりラッキーなのでは?

        

その他

入山前(入山日の前日〜当日まで)にクレイドルマウンテンビジターセンターでブリーフィングを受ける必要がある。ブリーフィングが終わるとパスがもらえる。

      

準備

オーバーランドトラックパスの購入
7/2の朝8:00に予約サイトにアクセスし、予約。
予約時に入山日・人数・入山者を確定しておく必要がある。
支払はクレジットカード(VISAかMastercardのみ)。
Information packは9月中にエアメールで届いた。

           

ETA(入国ビザ)の取得
アプリでらくらく簡単申請!と思いきや、顔認証がなかなかできなかった。
1週間以内に承認された。
$20で1年間有効。

              

航空券の予約
・10/7(日)8:35羽田空港→20:45シドニー/ANA/NH889
・10/8(月) 7:25シドニー→9:10ローンセストン/Jetstar/JQ745
・10/14(月)19:25ホバート→21:15シドニー/Jetstar/JQ724
・10/15(火)12:50シドニー→20:35羽田空港/ANA/NH890

日本⇔シドニー便は出発の半年以上前に予約して、
ANAの特典航空券で45000マイル使用+燃油サーチャージ等で別途10万ほど。
普通に買ったら往復で13万ほどだった。
マイルもったいねー!w
10/14のホバート→シドニー便はVirgin Australiaを事前予約していたけど、乗車3時間前に突然便が消滅して、急遽Jetstarで取り直した。
その後、海外旅行保険がいい仕事した。

             

海外旅行保険(登山プラン)の加入
損保ジャパンの海外旅行保険に運動危険等補償割増をプラス、11日間で24,710円。
と言っても保険会社からの契約方法がよくわからないため、関西エアポートリテールサービス社の海外登山者向けプランに問い合わせたら、結果損保ジャパンだった。

>>> 海外登山者向けプラン|関西エアポートリテールサービス株式会社

      

事前に山域を伝えたら加入可能とのこと。
今回はピッケルやアイゼン、ロープは使わないしクライミングでもないが、何かあった時に状況の証明ができないため、保険料は高かったけど登山者向けプランにした。
雪山や高山に行く時は、日山協山岳共済会が確実かもしれない。
そして航空機が遅延したりザックの破損と空港で持ち物が紛失し、登山とはあまり関係なく海外旅行保険の請求をすることになった。
備えあれば憂いなし。

         

現地の移動
タスマニアにはローンセストン空港とホバート空港の2つの空港があり、どちらもオーストラリア本島より行き来できる。(メルボルンからフェリーもあり)
オーバーランドトラックトラックのスタート地点のクレイドルマウンテンはローンセストン側、ゴール地点のレイクセントクレアはホバート側のため、今回は別々で予約してみた。
時間が合えばホバート往復でもいいかも。

         

・シドニー
特典航空券の関係でシドニーを選んだが、なかなか便利。
シドニー市内は公共交通機関が発達しているので、電車フル活用!
駅の券売機で駅名を検索して、オパールカードを買おう。
シドニーに着いた翌朝すぐに空港に向かう予定だったため、空港付近のホテルを予約していった。
空港からホテルまで5km、考えるのが面倒でUberを利用して$45(日本円で約4500円)。
空港使用料がかかるため、割高なのもある。
空港からシドニー市内までは電車で30分以内、$22ほどで行ける。思い切って主要駅付近でホテルをとった方が移動も宿泊も安く、ホテルの選択肢も多い。
ホテルは当日でも大体宿泊できる。

         

・ローンセストン市内
タスマニアに電車はない。(貨物のみ)
主な移動手段はバスのようだが、急いでいたためUberを利用。
約15km、15分ほどの乗車で$40(日本円で約4000円)。
ローンセストン市内→クレイドルマウンテンビジターセンターまでは車で約2時間。
Wild Island Adventure Hire社にてハイヤーを事前に予約した。
ガス缶2個も合わせて注文した。
帰りは参加人数が少なく催行されず、別のトランスポートサービスを再度予約した。
コンパクトな街で、市内に移動すれば徒歩圏内にスーパーやアウトドアショップなどが数件ある。
トランスポートサービスとは事前に場所を決め落ち合った。
いすゞのSUVがきたw

          

・ホバート市内
ホバートはタスマニア州の州都で、こちらもバスが主な移動手段。
空港と市内の主要ホテルの間はskybusというシャトルバスが運行している。
レイクセントクレアビジターセンター→ホバート市内までは車で約3時間。
Overland Track Transport社のバスを事前予約した。
こちらもトランスポートサービスに加えてギアのレンタルや販売を行っており、往復で予約すればスーツケースなど大きな荷物の一時預かり、受け取りサービスを利用できる。
市内⇄オーバーランドトラック間の移動について、予約が埋まってしまう可能性があるため、オーバーランドトラックパスを購入できたらバスもすぐに予約した方がよさそう。

6日分の食事5キロ。1.5キロほどは重りになった。

     

次回は~出発前編~です。

ヤマトイキル

ヤマトイキルです。 つれづれなるままに、好きなことをそこはかとなく書きつけます。

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